腸溶性ラクトフェリンが効く

効果を発揮させるには

人や動物の母乳に含まれるラクトフェリンは、経口から体内に吸収されることにより免疫力の改善効果などが見込まれます。 このラクトフェリンは、熱や酸に弱いという特性があります。

赤ちゃんの場合は胃酸が弱いため、母乳と共に摂取したラクトフェリンは胃で分解されずに腸まで届きます。 しかし、赤ちゃん以外の一般的な人が摂取すると胃の中の強い胃酸により腸まで届かずに胃で分解をされてしまいます。 これでは、ラクトフェリン本来の働きは期待することは出来ません。

腸まで届くラクトフェリン

成人の方がラクトフェリンをそのまま摂取した場合には上記の理由により、ラクトフェリンは腸まで届きません。 これを解決するために、腸までしっかりと分解されずに届く腸溶性ラクトフェリンが開発をされました。 腸溶性ラクトフェリンのサプリメント(錠剤)は、表面に特殊なコーティングを施し、酸に対して強くしています。 この特殊コーティングにより胃で溶けることなく腸までしっかりと到達し、体に吸収されることにより本来の機能を発揮することができます。

腸まで届けるための特殊コーティングは海外ではセルローズ誘導体が一般的なのですが、わが国ではこのセルローズ誘導体を食べ物に添加することは安全面の問題から禁じられています。 そのため、国内の腸溶性ラクトフェリンの表面のコーティングには、一般的に胃酸では溶けずに小腸に到達して初めて溶ける天然産のツェインあるいはシェラックが使われています。

ツェインはトウモロコシに含まれる成分であり、シェラックはカイガラムシのロウ成分のことです。 天然ものであるが故に安全性は高いのですが、原料としての品質にばらつきが生じやすいのでコーティング機能を確保するには高度な技術が必要となります。